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63歳、自治体の資金運用のカリスマが博士号を取得

[ 編集者:広報室  2018年3月9日 更新 ]

大分県から通学 国東市の税務改革や資金管理改革に尽力

大学院学位記授与式 3月16日(金)10時

 大分県の国東市役所に勤務しながら関西学院大学大学院の経営戦略研究科で学び、市の資金運用改革などに取り組んだ益戸健吉さん(63歳)に3月16日(金)、大学院学位記授与式で博士号(先端マネジメント)が授与されます。
 益戸さんは1954年11月大分県生まれ。早稲田大学卒業後、出身地の旧国東町役場に入職。大学院進学のきっかけは2007年、本学経営戦略研究科の石原俊彦教授の地方公会計に関する講義を受講し、「自治体職員は自治体経営の知識が足りないのではないか」との指摘を受け、学習意欲に火がつきました。
 しかし平日の勤務後、国東市から通える九州の大学院はありませんでした。そこで石原教授が在籍し、毎週土曜に6コマ連続の集中プログラムがある関西学院大学で学べないかと考え、「フェリーを使えば、仕事と通学を両立できる」と、53歳で入学しました。
 修士課程の受講は2008年4月から2年間。毎週金曜の業務後、別府港からフェリーで大阪南港へ。翌朝、西宮上ケ原キャンパスに移動し、9時からの講義を受けて、その夜にフェリーで帰る生活を続けました。地方自治体財務会計論、内部統制論、行政経営論など、自治体経営に関する分野を学びました。
 市役所では授業で得た知識をすぐ生かし、2009年に税務改革に着手。1年間で16の戦略を実行し、4町合併後も分断されていた税務組織をまとめるなど税務の総合的な改革を実現しました。2012年には、会計管理者兼会計課長として資金管理改革を主導。資金の調達と運用の一体的な改善などの改革を進め、2013年度の基金運用利回りを全国トップ級の1.960%(前年は0.517%)に上げました。その結果、国東市は2014年度「地方公共団体ファイナンス賞」を受賞し、他の地方自治体やメディアから注目されるようになりました。
 定年退職目前の59歳の時、英語を猛勉強して博士課程に合格し、2014年4月から再び経営戦略研究科に通学。英国での海外調査、全国約600の地方自治体に対するアンケートなどを実施し、300頁を超える博士学位申請論文を作成。自治体の資金運用だけではなく、調達も含めた資金管理全般の内部統制の在り方についてまとめ、地方自治法150条の解釈にも影響を与える結論と示唆も導き出しました。
 益戸さんは「今後も地方自治体資金管理に関する研究を深め、資金調達、運用や公金の不正防止に関する基本方針の標準策定、実務的な改善・改革に貢献したい」と意欲を見せています。

【大学院学位記授与式】
■日時:3月16日(金)10時00分開始   ■場所:西宮上ケ原キャンパス・中央講堂