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「発生過程における細胞外マトリックス」 西脇清二 理工学部教授

西脇清二 理工学部教授


 私達の研究室では線虫という体長1mmほどの小さな動物を使って、発生や器官形成における細胞外マトリックスの働きを研究しています。

 細胞外マトリックスという言葉はあまり聞いたことがないと思いますが、例えば皆さんがご存じの言葉で言えば、コラーゲン、コンドロイチンといったものが細胞外マトリックスの主成分です。

 細胞外マトリックスは細胞内で作られ、細胞が外に分泌するものですが、発生の過程で動物の器官が作られる時に重要な働きをしています。

 私達が研究に用いている線虫は体を作っている細胞の数がわずかに959個しかありません。ちなみにヒトの体は60兆個の細胞があると言われています。線虫は細胞数が少ないので、一個一個の細胞を顕微鏡で見分けることができます。

 動物の器官が形作られる時には、しばしば細胞の移動が見られます。細胞が正しい方向に一定の距離を移動することにより、正しい器官の形が作られます。私たちは蛋白質分解酵素の一種が細胞外マトリックスに働きかけることにより、細胞の動く方向や距離を制御していることを突き止めました。

 このような蛋白質分解酵素や細胞外マトリックスを生産する遺伝子はヒトにも存在し、その多くが遺伝病の原因遺伝子であることが知られています。私たちはわずか1mmの線虫の遺伝子の研究から、ヒトの器官形成や疾患のメカニズムを解明するヒントを得ることを目的としています。